人生は小説ほどでないにせよ そこそこ奇なり
阪急うめだ本店 での#playkimono 19日で最終日をむかえました。
レッスンやワークショップにはたくさんの方にご参加いただけたし、久しぶりの方にお会いできて嬉しい思いもしたし、
キレイな物も見たり、美味しいものも食べたし、終わったら2週間の感想をブログに盛りだくさん書こうと思っていたのですが、
1番最後の最後に、荷物を運んで片付けに行った堂島の教室で起きたハプニングが印象に残り過ぎたので、そこから広げて書いてしまいます。
外はすっかり暗くなっている時間で、誰もくるはずのない教室に突然のコンコンコン… …
用心深く扉を開くと、スーツ姿の若い女性が立っていたのですが、その形相たるや、こちらが息を飲んでしまうほどの緊迫感。
不安や緊張や色々な複雑な気持ちを携えてやってきた彼女。
私の顔を見ると、自己紹介と挨拶をしようとするのですが、声が震えて、みるみるうちに漫画のように涙の粒が溢れ出しました。
そして、そんな自分にびっくりして、「ごめんなさい、ごめんなさい」とあやまりはじめたのです。
一瞬、新手の勧誘か訪問販売かとも思ったのですが、お持ちの物に大手保険会社の名前が見えて、そちらの会社のバッチもお付けになっていたので、新入社員の飛び込み営業だろうなぁという察しはすぐにつきました。
2週間のイベントを終えたばかりの充実感で普段より少し心が広めの私。
教室の中に招き入れ、まずは何処からきた何方で、私に何をして欲しくてきたか聞きました。
まず私は片付けをして帰らないといけないから、今ゆっくり話を聞いてあげられないし、保険に入ることはできないから残念ながらあなたのお役には立ってあげられないということ、そして片付けをはじめるまでの間、アイスコーヒーを飲んで休憩しようと思っていたので、その休憩の時間の間、あなたが落ち着くまでここにいればいい旨をお伝えして、イスをひいてお掛けいただきました。
彼女がその日1日どんなに頑張って歩いていたのかは、見ればわかりました。
彼女はきっと素直でガッツのある若者で、張り詰めていた緊張の糸がプッツリと音を立てて切れる瞬間をたまたま私が目の当たりにして、私の母性と好奇心にも火がついたのでしょう。
とはいえ、
汗だくで泣きながら謝るスーツ女子と、
汗だくでニヤニヤ笑いながら慰める着物女子。
その状況に堪えきれず、笑いが止まらない私。まるでカオス。
彼女はアンケートを書いてもらうミッションを遂行しているというので、アンケートを記入しながら、ここに至るまでの話をあれこれ聞き出してお話しをしました。
集めないといけないアンケートの数を自分が勘違いをしていて、日にちも時間もなくて途方に暮れていたこと、飛び込み先で心ない言葉で罵倒されることが続き心が折れてしまったことなど、私の質問に申し訳なさそうにしながら誠実に答えてくれました。
なぜ、保険屋さんに就職したのかも質問してみました。か
本当に困って助けが必要な時、例えば家族とサヨナラした時、病気や怪我をした時、事故などに巻き込まれた時、他人がしてあげられることなんてなかなかなくて、現実的だけれど、経済的に支えになってサポートすることは、他人がしてあげられるとても大切な役割だ 的なことを説明会で聞いて、ヨシこれだ!と思ったのだそうです。
ここでわかることは、私は結構、彼女と話し込んでいるということ(笑)
お人好しも過ぎると良くないのはよくわかっているのですが、ついつい。
本当か、遠慮かわかりませんが、アンケートはちょうどラスト一枚だったとのことで、それが本当なら私は彼女の女神だったのだろうし、彼女は私の休憩時間を寂しくさせない天使だったのかもしれません。
アンケートを書かせる為の、彼女の作戦の嘘泣きだったとしても、それならそれで気持ちいい。
人生を見つめ直すとか、私の若い頃はとか、仕事とは、とか、
彼女に何かそれらしい良いことをいってあげると面白くなくなるので
元気で頑張ってね と見送って片付けして滋賀に帰ったというだけの
ほんとになんにもない、ただのちょっとしたハプニングのお話しでした。
注 : 特に写真がなくて絵面が悪いので、うちの紫陽花をちょいちょい挟んでいます(笑)