末路哀れは覚悟の前やで

『末路哀れは覚悟の前やで』

こちらは桂米朝さんが師匠の4代目桂米團治さんに言われた言葉の一番最後の一文です。

さて、先日妹弟子の佐藤さんと2人で、師匠にビデオ通話を繋いでもらって相談会を開いてもらった際の話なのですが、

何がしたいのか、どんな先生になりたいのかという流れになり、その際に師匠が引用してお話してくださった。というなんということはないお話なのですが

この話に後日談がありまして。

折角師匠から頂いた言葉なので、ちょっと掘り下げてみようかと思い、翌日すぐに調べて一冊本を買いもとめました。

それがこちら。


『落語と私』 桂米朝 (文春文庫)

なぜ私がこの本を選んだかといいますと、米朝さんはこの本の最終章のその中でも本当のほんとに最後の文末に、師匠米団治から言われた言葉を記します。としてこの一文を含む言葉を書いて本の最後をしめられています。

逆に、はじまりはといいますと、プロローグの見出しが「エー、毎度バカバカしいお笑いを一席!」

そうです。落語が始まるかの如くこの本ははじまります。

ということは、最後に書かれている事は落語でいうところの『オチ』。

『末路哀れは覚悟の前やで』という言葉をお師匠さんにもらって大事にしている人の書いたものが読みたいと思ったのです。

で、この本買いましたよと、早速Twitterでつぶやいたところ、私の師匠から「米朝さんは言われたほうやねん」とメッセージが。

お気づきになったでしょうか。

師匠は、言うた師匠の側の目線でその言葉を見ていて、
かたや、私はというと言われた弟子の目線でその言葉を受け取っていた。というのことです。

なんと面白い事でしょう。

『末路哀れは覚悟の前やけど、私の覚悟は弟子の覚悟の前の前まえくらいのもんやで』やで

情けないことやで 涙が出るわ



お後がよろしいようで





人気の投稿