びわ湖の白ひげ食堂

月曜日、彦根から琵琶湖の北側周りで対岸の高島市へ行ってきました。

琵琶湖の上をぐるりとまわると滋賀県民でも驚くほどまだまだ雪が残っていて、空気もまだまだ肌を突く冷たさです。



高島市は琵琶湖の北西部に位置し、滋賀県の中でもとくに雪深く交通の便も悪い地域ではあるのですが、滋賀県の伝統産業が集約された地域だとも言えます。

昔、琵琶湖の氾濫を防ぐために植えらた竹を使って始められた扇子の骨は高島扇骨と呼ばれ、生産は全国の生産量の90%を占めているといわれています。

滋賀県と言えば琵琶湖の次に代表にあげられる鮒ずしに関しても、
有名な漫画「美味しんぼ」で紹介され、実際に登場したお店 《魚治》さんがこの高島市にあります。

また、高島縮みや高島帆布などの伝統織物もあり、和蝋燭や雲平筆という日本の伝統の逸品が高島で多くつくられてきました。

滋賀県は海がない代わりに、深い山々に囲まれているので、山の伏流水、そして琵琶湖の水の恵みの恩恵を受けて、昔からお米が美味しく、お酒の美味しい土地です。

その中でも銘酒と呼ばれているお酒もまた、この高島からいくつも生まれています。

以前、師匠にとても美味しかったと気に入っていただけた《萩の露》も高島市のお酒です。

琵琶湖を眺めてみるとあちら側に見えているのに何時間もかけないと行けないので、京都や大阪、名古屋へ行く方がよほど早く行けるのではないかと思います。


そんな高島、私も子どもの頃に何度かスキーに行ったくらいしか記憶にない場所です。

今回、行きたいところがあってむかったのですが、雪深い影響でそちらは果たされず、遠いところまで来てしまったけど、琵琶湖と山と道しかないし、どうしたものか、と空腹も手伝い少し暗雲が立ち込め始めたのですが、タイミング良く大きな鳥居と登り旗を見つけ
て立寄ってみることにしました。




はじめて訪れたこちらの神社、「白髭神社」といい、近江最古の神社で、全国津々浦々にある白髭神社の総本社なのだそうです。

昨今のパワースポットブームに乗じて、もれなくこちらの神社にも観光のお客様が訪ねてこられているようですが、その魅力となっているのが、シンボル的な存在で琵琶湖に浮かぶ朱色の大鳥居です。


厳島神社の壮大さには及ばないにしても、その美しさは神秘に満ちており、近江の厳島とも呼ばれているとのことです。

面白いのは、本殿を挟んで間に国道が走ってしまっているところで、大型トラックが容赦無くブンブン通過します。




思いがけずのパワースポット巡りを楽しんだら、お隣の《白ひげ食堂》へ


昔ながらの食堂で、ラーメンやうどん、丼ものが書いた紙が壁に貼ってあるのですがどれもこれもとにかく安い。

名物の「豚汁」を使った豚汁ラーメンが売りのようなので、ひときわ大きく書いてあって、おそらくこのお店で1番高いであろう

《こく辛スープの豚汁ラーメン  (温玉付き)うどんもできます。¥600》を注文しました。

ラーメンが届くまでの間に、ガラスのケースに並ぶ小鉢を物色してハムカツを取ると、お姉さんが温めてくれて、見たことないくらい特大なマヨネーズのチューブと一緒に持ってきてくれます。


豚汁の中に黄色くて、チリチリしている中華麺が入っています。

はじめてたべるけれど、どこか懐かしくて、ミシュランのお眼鏡には到底かなわないだろうけど、気持ちのあたたくなるおいしいごはんでした。



食べ終わって「ごちそうさま」をすると、おばちゃんが魚を下ろすまな板かと思うほど大きいそろばんを抱えて出てきてお会計してくれます。

おでんもセルフサービスなので、「おでんは何か食べてくれはったぁ?」と聞いてくれます。

お釣りはエプロンのポケットにいっぱいの小銭の中からすぐ出してくれます。

「ごちそうさま、ありがとう」としめたドアの向こうから聞こえる
「お気をつけて」に優しさを感じます。

近所にあったらいいのになぁ。






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