京都の夏 【祇園祭】

日本三大祭の一つとされ、日本で1番有名なお祭りといってもいい祇園祭。

千年以上の歴史があり、7月1日から31日の1か月間、様々な神事や行事が執り行われるそうです。


その中でも特に有名な山鉾巡行。


コロナ禍で2年中止となっていて今年は3年ぶりの再開ということもあり、更には長らく「休み山」として巡行不参加となっていた「鷹山」が、196年ぶりに復活を果たすということもあり京都は熱気で溢れかえっていました。






知ったような事を言っていますが、去年京都にサロンができてからはじめての祇園祭で、ラソワがある三条両替町のまわりでもたくさん山鉾を見ることができるので、少しはこのお祭りの事を知らないとな、と今年色々と見聞きして少しずつ楽しく祇園祭を知っていってる最中です。


山なの?鉾なの?山鉾って何なの?

という所からのはじまりだったので、京都文化博物館で開催されていた「祇園祭展」に行ってみたり、先生にお借りした本を読んでみたり、インターネットで調べてみたり。


でも、結局は百聞は一見にしかずでした。


祇園祭の代名詞と言われる〈山鉾巡行〉


前祭と後祭の2回行われるのですが、今年はその両方を朝1番から見物しに行ってきました。


はじめてみたのは3年前のコロナ前。

教室のイベントで藤井絞さんにお邪魔させていただき、目の前を通る山鉾巡行を見せていただいたのが私のはじめての祇園祭でした。


今回はさらに、たくさんの行事を見せてもらって新しい事をいっぱい覚えてきました。


前祭では、TVでよく見る長刀鉾(なぎなたぼこ)のお稚児さんによる注連縄切り

巡行では、四条通に張られた注連(しめ)縄を鉾の上から太刀で切り、神域への結界を解き放って山鉾を進ませる役を担うそうで、貴重な瞬間をと期待する大勢の見物客や、取材班が朝早い時間から集まって賑わっていましたが、その瞬間にはまるで時が止まったような厳粛な空気が流れ、縄が切られた時に一気に漏れる歓声と拍手は鳥肌がたつのを感じました。




巡行のスタートを見た後は大きな山鉾が交差点で方向転換をする〈辻回し〉を見物させてもらいました。

山鉾は大きな物では重さが10トンにも及ぶそうで、「作事方(さくじかた)」と呼ばれる職人たちが、釘を使わず縄だけで部材を固定する「縄がらみ」という伝統技法で組み立てられるそうですが、その大きな山や鉾が、力強い掛け声とともにギシギシと大きな音をたてて、引き回される様子は見ていてドキドキするものでした。


この祇園祭は京都の方みんなが参加されるわけではなく、山鉾町と呼ばれる〈八坂神社〉の氏子の方が住まわれ地域で行われているそうで、藤井絞さんがある場所は〈北観音山〉と呼ばれる山鉾の地域にあたります。

山鉾町では祇園祭の最中に〈屏風祭り〉といって、建物の表の格子を外して秘蔵している屏風や美術品、調度品などを飾り、祭り見物に来た人々にも、通りから鑑賞してもらえるようする伝統的な風習を今でも続けておられるところがいくつかあり、藤井絞さんの社屋もその貴重な数軒の中の一つです。


一般の方は、格子の外から覗かせいただくのですが、幸いにも師匠が藤井社長に懇意にしていただいているお陰で、中に入らせていただき拝見させていただく機会を得ております。

「山鉾巡行」は動く美術館とも言われ、この「屏風祭」は静の美術館とも言われるにふさわしく、美しく素晴らしい設えは、一年のうちにこの時期だけの見逃せない催しだと思います。






後祭では、その〈北観音山〉の巡行の出発を見届けに朝から京都にこさせてもらいました。




屋根の上に伸びている木の事を〈真木〉しんぎ と呼ぶことも、周りに飾られている豪華絢爛な飾りの事を〈懸装品〉けそうひん と呼ぶ事も今年覚えました。

最初にも書いた通りに

【百聞は一見にしかず】

見れば見るほど魅力的で、

知れば知るほど興味深い歴史と伝統の祇園祭ですが、

ほんの少し内側から覗かせていただいて感じたことは、このお祭りや伝統や文化を守り残していこうとされる地元の方の祇園祭に対する愛情深さです。

生活の一部でもあり、京都人としてのアイデンティティーとも言える気がします。


京都を知る事は、日本の文化と歴史を知ることと言っても過言ではありません。

知識だけでなく、こうして知見を広げる事でまた感じる事が多いなぁと、当たり前だけど大人になると中々できない経験をさせてもらう事ができました。


日本の夏


京都の夏


令和4年の祇園祭

厄病退散の願いと共に





人気の投稿